カナダ暮らしが長くなると、時々の一時帰国が楽しみになります。中学生の頃からかけているメガネ。数年前に恵比寿のgroom(ジールーム)で調整してもらうようになってから、帰国時に立ち寄るのが楽しみになりました。
ここはヴィンテージもののメガネフレームを扱っている面白いお店で、妻に付き合ってついていったのが最初。
場所は恵比寿。駅からは歩いて10分ほど。営業は、午前11時〜午後8時 。水曜はお休みです。お店のホームページがあります。
http://www.gees.co.jp/groom/
赤くて大きなメガネが目印。お店はオーナーである店主との雑談が楽しく、会話の中から個性的なフレームの話になることも。きっかけは、妻から「あなたも作ってもらったら?」と勧められたこと。オシャレなフレームが並びますが、この店に来るまでは「メガネは10年に一度程度替えれば充分」という考え方で、こういったお店には一切興味なし。
ただ色々話を聞いていて、目の健康の話になった時にこのお店が目とメガネについて長い経験に基づく論理的な考え方があることを知り、ならば1本だけ技術的なことは安心して任せ、もっぱら気に入ったフレームを探してみようか、というのがきっかけです。
日常使いのメガネを変えるということで、「見やすく、かけやすいのがいいでしょう」ということでオススメとして出てきたのが、独自に買い付けた1970年代(年代は記憶)にアメリカで使われていたボストンの軽いフレーム。
オーナーが力を入れているドイツ製ツァイスのレンズは明るくて見やすく、長時間目を使う仕事をしている身にとってはありがたい限り。レンズには見えるか見えないかギリギリのロゴの切り込みがあるのを後になって気づきました。
当日注文しておいたクリップオン・サングラスは、フレームサイズに合わせるため数週間後に完成し、この組み合わせで groom デビューを果たしました。
魅力と感じるのは、店主がプロデュースするオリジナル・フレーム。少ないもので1本オンリーや、10本限定など職人手作りの個性的なモノがお店の片隅に置いてあることがあります。
写真のフレームは、3カ所が折れ曲がるようになっている精巧な作りで、折りたたむと手のひらにすっぽりと収まるサイズ。かけるというより、フレームで頭の両側を挟む実に不思議な作りで、このフレームを持つとどうなるのだろう? という興味が先に立ち売っていただくことになりました。
もっぱら手元を見るためのメガネとして最初に作ったレンズの焦点を最適化するため、しばらくしてから作り直してからは格段に便利になりました。
このメガネは groom 扱いではなく、譲り受けたヴィンテージ。構造がユニークだったので、まずは groom へ相談をかけてみようと考えました。
アンティークなメガネのため細部にかなりガタがきていること、素材がデリケート(ベッコウ)で修復には専門的な知識が必要という見立てでした。迷っていると「こんな珍しいフレームは、しっかり直して使ってあげないと」と修理のプロセスを詳しく説明してもらい、それなら、とお任せでお願いすることに。
時間はかかりましたが、まるで新品のようになって帰ってきたのは嬉しかった。工賃はずいぶん勉強していただいて、格安だったのも嬉しい誤算でした。
このフレームに一生懸命になる理由は、ぱっと見は普通ですが2枚のレンズを組み合わせることができるように、二重構造と制作された時代を感じさせる凝った作りになっているから。
最初のメガネ用のレンズはシームレスな遠近両用にしたのですが、今回は手前が遠視・表面が近視用レンズにして、手前を見る時にはこんな風にフレームを跳ね上げる。実はこれが場合によっては見やすいものの、それなりの重量感がありますから、2時間ほどが限界。気合いを入れてかけるメガネです。
これは groom 扱いでは3本目の、一番最近のメガネ。先の跳ね上げは重くてかけるのに気合いが必要ですが、こちらは軽くて、オシャレで、見やすいフリップアップ。詳しくはこっちのブログに書いています。
長い間1本しかメガネを持たなかった私が、groomと出会ってからは複数の、ユニークなフレームをかけメガネを楽しめるようになりました。余談ですが、テレビを見ているとメガネをかけている人が実に多い。画面に映るユニークなフレームを見つけるにつけ、私などはまだまだ初心者だと思うわけです。