トロントから鉄道を使って小旅行でまず思いつく街、モントリオール。今回はVIA鉄道を使って旅をした経験を踏まえて、チケットの種類や値段について書いてみます。
VIA鉄道は、北緯49度線に沿うようにカナダ国内を東西に結ぶ大きな鉄道のネットワークを持っています。VIA鉄道の本部があるモントリオールは、この国における鉄道の発祥地。ここを含むケベックシティからウインザーまでの区間をコリドー(CORRIDOR)と呼び、最も頻繁に列車を運行している路線になります。
上記は夏のトロント発モントリオール行き、週末のスケジュール(2018年8月調べ)。
列車番号 | 出発 | 到着 | 時間 |
---|---|---|---|
#60 | 午前6時40分発 | 午前11時57分着 | 5時間17分 |
#62 | 午前9時20分発 | 午後2時20分着 | 5時間 |
#64 | 午前11時半発 | 午後4時58分着 | 5時間28分 |
#66 | 午後3時15分発 | 午後9時49分着 | 5時間34分 |
#668 | 午後5時57分発 | 午後10時56分着 | 4時間59分 |
表にまとめてみました。ホテルへのチェックインを3時として、タイミング的には#60/#62がちょうどいい感じになります。従って格安エスケープ料金はこの列車から売り切れて行きます。
上記はモントリオール発。
列車番号 | 出発 | 到着 | 時間 |
---|---|---|---|
#61 | 午前6時37分発 | 午前11時41分着 | 5時間17分 |
#63 | 午前8時半35分発 | 午後2時7分着 | 5時間12分 |
#65 | 午前11時発 | 午後4時17分着 | 5時間17分 |
#67 | 午後3時45分発 | 午後8時39分着 | 4時間54分 |
#669 | 午後6時30分発 | 午後11時33分着 | 5時間3分 |
こちらも表にまとめてみました。モントリオールでたっぷり遊んで帰ることを考えると、最終の #669 に乗ることになります。その場合トロント着は深夜になるので要注意。
本数はそれほど多くないので、旅程に合った列車を事前に選んでおくことは大事なポイントになります。
次に、モントリオール行きの料金を詳しく見てみましょう。
料金の調べ方はこのトップページから見るか、左側のFrom/Toにトロント/モントリオールと入れて料金を表示させるかのどちらかでわかります。例として、今ブログを書いている日付から1週間後(2018年8月11日)指定で料金を出してみます。
トロント〜モントリオール間の料金体系は、エスケープ(格安:ESCAPE)、エコノミー(普通:ECONOMY)、ビジネス(BUSINESS)の3種類。エスケープ以外のプラスは、キップの変更や払い戻しを手数料無料という特典をつけた商品です。
座席とサービスについて、エコノミーとビジネスでは大きな違いがありますが、エスケープはエコノミーの一部の座席を格安で出している商品のため同じ扱いになります。
夏の観光シーズンでは1週間後でもこのように料金はかなり高く、本来格安のはずのエスケープがエコノミーと1ドル差になっていて、格安の意味が無くなっていますね。
これは1ヶ月後の同じ週末を指定した場合。エスケープは本来の$48に戻っています。これが公式ウエブサイトに表示されているエスケープの宣伝料金の仕組みです。
VIA鉄道でキップを買う場合、その価格は予約状況によって変動することは覚えておきたい重要なポイントです。
3番目のポイントは、キップによる座席とサービスの違い。平均5時間にも渡る長旅ですから、快適に過ごしたいものです。
まずコリドーを走る列車の魅力は、すべての車両に無料Wi-Fi(インターネット)が標準的に装備されていること。
パソコンやスマホで、VIA_WIFIを選択すると列車の便名と乗車クラスを入れるログイン画面が出てきます。ネットが常時無料で使えるのは今どきのあり方としては便利と言うべきでしょう。
エコノミー(エスケープ)席での食事や飲み物は、有料で車内販売(ワゴンサービス)が回ってきますのでそれを利用します。
メニューは座席にあり、サラダやサンドイッチなどあらかじめパックされた食べ物、コーヒーや紅茶、ビールなどアルコール飲料の提供もあります。なおコーヒーをは2ドル50セントです。
ビジネスでは駅のラウンジサービスが利用できます。コーヒーやソフトドリンクの用意があります。
車内はゆったり目の座席。飛行機でお馴染みのスタイルで最初に飲み物のサービス、その後お食事が無料提供されます。(メニューはここです)
こうしたサービスの違いを良く理解しておくことも、キップを買う際の重要ポイントです。
キップの種類やサービスについて理解したところで、最後にモントリオール行きのキップを買ってみましょう。
購入方法は、VIA鉄道駅(トロントの場合はユニオン駅)のカウンターで係員と相談しながらと、オンラインで公式ウエブサイトからの2種類あります。
いずれの方法にせよ、まずはウエブで料金をチェックすることをオススメします。直近のものは乗りやすい時間帯から順番にエスケープが売り切れて、エコノミーもMAXまでの値段になります。人気が高い列車は料金が上がりますから、乗車率が下がる事前予約が安い価格でチケットを入手するコツになります。
便数も多く料金が変動するのは、トロント〜モントリオール間はなかなかの人気路線だから。先ほどより1週間先の日程で料金を検索してみると、エスケープはまだ残っていますね。
さらに1カ月後の週末土曜日の料金表示してみました。VIA鉄道と乗客の料金をめぐるせめぎ合いが、興味深いですね。エスケープは一旦買ってしまうと変更する場合手数料が半額ぶん取られてしまいます。
昔はオンラインで買っても、駅のキオスクにある端末で黄色いチケットを出力してくれましたが今はこのサービスはなくなり、白い紙に予約情報とバーコードが印刷された紙が出てきます。
スマホを持っている場合は、アプリで買うとプリントが必要ないので大変便利です。ウエブチケットはアプリで表示する以外に、Apple Watch にも対応しています。チケットは下にスクロールするとバーコードが出てきますので、係員に提示します。
このバーコードを、ホームに入る所にいる係員がスキャンして入場という流れになります。スキャナーは係員が手に持っているタイプで、バーコードがはっきり見えればどんな媒体でもエラーなくスキャンされます。この辺は飛行機の搭乗時と違ってスムーズです。
長くなりましたが、ポイントをまとめると以下の3点になります。
・早めに手配をすることで、格安料金を狙う
・情報はウエブサイトを活用
・オンラインで買うとスマホでチケットを表示できるので便利
特にカナダでは、スマホを使ったオンラインでの予約・注文が急速に普及しています。クレジットカード決済になるので、旅先ではホテルや公共のWifiではなく独自に用意したネット接続が必要ですが、予約を出発前に済ませておけば心配はないでしょう。