【トロント国際映画祭】チケット買い方〜買ってみました!2018年版

いよいよあと1ヶ月半に迫った、2018年のトロント国際映画祭(以下TIFFと表記)。取材(撮影)経験しかない私が今回は初めて、映画三昧をしてみようと考えました。

いざそうなると、何があるのか? どう買えばいいのか? など基本的なことを知りません。今回はこんな初心者目線で、チケットを購入するまでに学んだこと、理解したこと、起きたことをまとめておきます。

この記事の目次
どんな種類のチケットがあるの?

TIFFのチケットは、種類がちょっと複雑。調べていくと、下記の3つに分類するとわかりやすくなりました。

種類 内容
1)パッケージ・チケット 先行販売の回数券のようなもの
2)単独チケット 映画ごとに1枚ずつ買う
3)ラッシュチケット 残っているチケットを上映直前に劇場で買う

口コミを読むと、人気が高い上映チケットは発売日に売り切れてしまうこともあるほどの状態で、9月に始まる一般チケット前売り日には、公式サイトのサーバーが重くなりなかなか予約が通らないという事態が毎年起きるそうです。

2018年の単独チケットは、9月3日午前10時販売開始です。

単独チケットの値段

種類 内容
指定席 レギュラー:$18-42/プレミアム:$25-82

指定上映会場:Roy Thomson Hall/ Visa Screening Room at the Princess of Wales/Elgin/Winter Garden

自由席 ・レギュラー(Evenings & Weekends):$28-35
・Weekday Daytime:$18-25
・Weekday Daytime (Under 25):$10
・プレミアム:$52-59指定上映会場:Ryerson/Scotiabank/Jackman Hall/TIFF Bell Lightbox
ラッシュチケット レギュラー:$20/プレミアム$40

単独チケットの料金は細かく分かれています。また上映会場は全席指定と全席自由に分かれていますので、自由席会場の入り口は長蛇の列となります。

「チケット争奪戦、行列や待ち時間もTIFFの一部」といわれるほど様々な解決策が議論されていますが、初心者の私にはこの議論さえ難しいというのが最初のステップでした。

振り返ってみると、多くの人が最初に指摘した「覚えておくべき重要な日程」は、やはり最重要だったので、次の項目で「チケット入手までの日程的な流れ」を押さえておきたいと思います。

TIFF開幕までに何が起きるの?

チケット販売関係の日程については、公式サイトに発表されています。2018年は、以下の通り。

日付(2018年)
7/20 午前10時に一般向けパッケージ販売開始
8/1 TIFF会員加入締め切り
8/13 パッケージ販売終了
8/20 パッケージ(Flex)購入者の選択日時指定のメールが送られる
8/21 全スケジュールをtiff.net にて公開
8/23 パトロン・サークル(Patrons Circle)単独チケット前売り
8/26 TIFFメンバー・パッケージチケット保持者の映画前売り
8/28 一般・パッケージチケット保持者の映画前売り
8/30 午後10時、パッケージチケット保持者の映画前売り終了
9/1 TIFFメンバーによる単独チケット前売り
9/2 インサイダー(Insider)単独チケット前売り(要コード)
9/3 一般向け単独チケット前売り開始(午前10時)
9/3 単独チケット、オンライン再販
9/5-16 TIFF開幕

チケット前売りは、7月〜9月の間波状的に行われるという独特なプロセスを踏みます。まず押さえておきたいポイントは以下の5つ。

・フレックスパッケージの販売開始日が一番早い
・TIFF会員は常に先行して前売りが行われる
・フレックスパッケージの前売りは、会員の後
・一般向けのチケット販売は、一番遅い9月に入ってから
・ラッシュチケットは上映開始直前10分前

どうやったら希望の映画チケットを確実に入手できるかを、この4つの条件を組み合わせながら考えて行くことになります。これを踏まえ、次の項目では一般販売の単独チケット前売りを選ぶとどうなるかについて検討してみます。

もし一般単独チケット狙いで行った場合どうなる?

誰でも買うことができる一般単独チケット前売りは、9月3日午前10時にチケットマスター(ticketmaster.ca)かフェスティバル・ボックスオフィス(午後4時まで)で始まります。なおこの日は公式ウエブ(tiff.net)では行われず、翌日4日からになります。

ネットで調べると、この一般単独チケット発売日初日は相当な混雑ぶりで、サバイバル法を書いている数多くの記事を見かけるほど。一番安く入手できる日付ですから当然といえば当然で、目的の映画にたどり着けないということも多々あるようです。

実はこの発売日までに、相当数のチケットがすでに販売されている、というのがこの日の混雑に拍車をかけている原因。具体的に2018年の日付で見ると、一般前売りの9月3日より前に、

8月26日:TIFF会員かつパッケージ保持者の前売り
8月28日:一般パッケージ保持者の前売り
9月1日:TIFF会員の単独チケット前売り

当然ながらチケット前売りには優先順位がつけられているため、高い下馬評&注目されている映画オシの場合、特定の上映会には優先権を持った会員が集中し、最後に始まる一般チケット前売りが始まる前にある程度が売れてしまっていますから、入手は困難を極めるというのも理解はできます。

ここで公式サイトが勧めている解決策が、以下の2つ。

・TIFFメンバーになってしまう(いち早く押さえられる)
・パッケージを買ってしまう(メンバーの次に押さえられる)

ざっくり言うと、この2つにお金を払って保険をかけるわけです。その場合どれくらいのお金がかかるのか、まずはTIFF会員になるための費用を調べてみました。

クラス 金額
インディビジュアル $99
デュアル $160
ファミリー $175
コントリビューター $450
アンバサダー $675
ベネファクター $1,200
パトロンサークル(ブロンズ) $2,000
パトロンサークル(ゴールド) $6,000
パトロンサークル(プラチナ) $8,000
パトロンサークル(リーダーシップ) $12,000

一番上まで行くと、凄いですね・・・・改めてスケジュールを見ると、最強の優先権を持つ「パトロンサークル」会員が、実は最も早い8月23日に単独チケットを買うことができるように設定されています。

次に優先権を持つ8月26日の会員販売日には「レベルによる(determined by level)」という但し書きがついています。この意味は、会員レベルによって時間差があると理解してよいでしょう。

ここから分かることは、今回急遽 $99 のメンバーに加入したとしても、会員での優先権は一番下だということ。それでも一般よりは早く手に入りますよという言い方で、年間会員を増やしたい映画祭事務局の思惑が見え隠れします。

そもそも会員は年間でカナダの映画産業をサポートするという意味合いがあるため、チケット入手のためにあるわけではありません。TIFFが盛り上がることによって、カナダから多くの優秀な人材を輩出することが最終ゴールだということも考えに入れておきたいですよね。

何を買ったの?

結論的に初心者の私にとっては、チケットが手に入りやすそうな「フレックス・パッケージ」が良いのではないかと考えました。利点としては、

・あらかじめ決められた枚数がセットになっている
・一般発売前に先行して見たい映画を選ぶことができる

この辺が自分に合っていると思いました。

パッケージは4種類あり条件と料金は様々ですが、なかなかのお値段です。

1)レギュラー 6/10/20/30/40/50/60/70/80/90/100(料金:$150〜$2,010)
枚数が多いパッケージ程安くなる
2)プレミアム 6 /12(料金$425/$850)
プレミアム上映会限定
3)ウイークデイ・デイタイム 10/20(料金:$165/$330)
上映時間が5時以前に始まる映画限定
4)バックハーフ 6/12(料金:$105/$210)
9月12日〜16日までの上映映画限定

バックハーフは、最初の週末を超えるとある程度落ち着くTIFFの状況をよく表しています。取材している時も、最初の週末はスケジュールがクレイジーで、月曜日からはゆったりだったのを思い出します。

今回ですが、せっかくの映画祭参加ですから特別なイベントがある上映会に参加したい。そこでプレミアム上映会限定のフレックス・パッケージを選んでみました。

残念ながら、発売開始からすでに1週間もたってるため6は売り切れ! 残っているのは12のなかなか高額チケットのみで、1枚あたり71ドル(6だと1枚75ドルと5ドル安くなる)、1枚6,000円のチケット。6がすでに売り切れている事から、特別なインセンティブのあるチケットであることが想像されます。

Know the difference between types of screenings

At TIFF, not all screenings are created equal. “Galas” and “Special presentations” are formal screenings that typically feature the talent and the director. These are what’s known as the “premium” tickets. These events feature Q and A discussion following the screenings. The cast and director actually take questions from the audience, so it’s an orgasmic experience for film lovers. Of course, you pay for the privilege of attending these fancy pants film screenings, as they cost $49 versus $25 for regular screenings.

この辺についてDailyhive のビギナーズガイドによると、プレミアム・チケットは「ガーラ(Galas)」「スペシャル・プレゼンテーション」と呼ばれる特別上映会に出席できるもの。この上映会は、映画後に、出演する映画俳優と監督らがQ&Aセッションを行うイベントだということで、お目当ての俳優さんたちをひと目見たい映画ファンにとっては、まさにプレミア。誰がトロントに来るのかについては直前までに発表になります。

散々迷った挙句、プレミアム・フレックス12を買いました。送られてきたレシートには、「Section FLX012(パッケージ名)、Row ***、Seat ***」という表記があります。これはどういう意味なのでしょうか? 予めこの席が予約されているということなのでしょうか?

今の段階ではチケットの権利を得たというだけで、実際のチケットを手にするためにもうひと段階の手順を踏む必要があります。座席がすでにホールドされているのだとすると、これまで見てきた優先権とはまた違った設定が、このパッケージにあるということなのでしょうか? これについては、現時点でははっきりとしたことはわかりません・・・・

フレックス・パッケージについて現時点でわかっていることは、

・8月20日にメールが来る
・このメールに、チケット前売りスケジュールが書かれている
・8月21日に全体の上映スケジュールが発表される
・8月26日にはTIFF会員の前売りが始まる
・8月28日の一般パッケージ保持者の前売り開始

理屈でいうと、20日のメールには26日〜28日のどこかの時点の日付と時間が書かれてあって、そのタイミングでチケットを指定するのでしょう。初めてなので、8月20日に送られて来るEメールの内容が気になります・・・・・

パッケージ購入後、早速送られてきたEメールにはこんなことが書いてありました。

Please note assigned seating is available only at Roy Thomson Hall, Visa Screening Room at the Princes of Wales Theatre, Elgin Theatre and Winter Garden Theatre. For all other venues, seating in General Admission (noted GA or GEN on your ticket). Seat rows and numbers on tickets indicate to Front of House staff which section to direct you to, including reserved sections if applicable.

「指定されている座席は、ロイトムソン・ホール/プリンセス・オブ・ウエールズ劇場VISAスクリーニングルーム/エルギン劇場・ウインターガーデン劇場のみ有効です。これ以外の上映会場では、座席指定はなく一般入場となります(チケットにGA/GENと表記)。着席の際には、座席の列・番号を係員に提示していただければご案内いたします。」

We recommend arriving one hour prior to your screening. Seating is guaranteed only until 15 minutes before the scheduled start of the screening. We start admitting the Rush line 10 minutes prior to start time.

「劇場へは1時間前までに到着しておいてください。座席は開演15分前まで有効。それ以降になりますと、10分前から始まるラッシュ・ラインチケットの販売に回ります。」

これは要するに遅れるとチケットが無効になる、ということなのでしょうか? だとしたら、時間厳守!

Visit tiff.net/mobiletickets to learn how to access your tickets on a mobile device.

「モバイルチケットの詳細については、tiff.net/mobileticketsまで。」

今後の流れは現時点で分かっていないことも多いわけですが、このようにEメールで連絡などがあり明らかになってくることでしょう。

(追記)チケットの実際の購入までの流れ

8月20日午前10時、事務局からの発表の通り以下のようなメールが送られて来ました。

Tiff-mail.jpg

「Redemption」という手続きは、私の場合12枚の購入権利を、実際の上映に合わせて購入するという意味になります。これはウエブ上で行い、「START TIME」と書かれた時間にログインすると、チケットを12枚実際に選べるようになります。

スクリーンショット 2018-08-30 8.20.35.png

ログイン画面への入り方は、公式サイト(https://www.tiff.net/)の右メニュー「Manage & Buy Tickets」をクリック。そこから「….redeem my Festival package」をクリック。

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会員用のログイン画面が出て来ますので、あらかじめ設定した(チケットを買った時の)ログイン情報でサインインします。

Tiff-mail3.jpg

アカウントの中の「Premium Flex12」をクリック。

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チケット選択画面になります。説明としては以下の2つ。

・12枚を選ぶこと

・売り切れの場合など希望のチケットがない場合にはバウチャーを選び、9月3日午前10時の一般販売時にもう一度トライする方法が残されている

実際に日付を開けて目的の映画を選んでみます。

スクリーンショット 2018-08-29 17.03.31.png

「Select」をクリックすると、チケットがある場合はこのようになります。

スクリーンショット 2018-08-29 17.07.54.png

座席は Price Level A/B/Cの三つがあり、「Best Available」にしておくとその中から最適な座席を自動的に選んでくれます。

スクリーンショット 2018-08-29 17.06.58.png

売り切れの場合はこのようになります。

スクリーンショット 2018-08-29 17.25.56.png

決められた枚数(12枚)を選び終わらないと発券作業に進むことができません。今回は一番下の「Premium Vouchers」を選ばず、すべての選択を終了。一番下の水色のボタンを押して先に進みます。

スクリーンショット 2018-08-29 17.26.18.png

画面が変わり、システムが自動的に座席を選んで発券準備が整ったことがわかります。通常追加料金は発生しないのですが、1つだけ Price Level A が開いていたためそれが課金されていますね。

Tiff-mail4.jpg

基本的にはここはゼロですが今回一つだけ Price Level が上がったので、そのぶんだけを追加で支払います。チケットはモバイルにしておきました。

(追記)プレセール・チケットの実際の購入方法

一般のチケット販売日の前日に行われる「TIFF Insiders」プレセール。公式サイトからメルマガを登録しておくと、ログインに必要な情報が送られて来ます。

スクリーンショット 2018-09-03 17.07.30.png

これがそのメールのスクリーンショット。「Get pre-sale code」をクリックすると、

スクリーンショット 2018-09-02 8.25.16.png

こういう画面になり、Facebookかメルアドでログインすると、コードをゲットすることができます。

スクリーンショット 2018-09-03 17.27.49.png

チケットは「Browse by Programme(プログラム別)」「Browse by Venue(劇場別)」「Browse by Date(日付別)」に分類されています。あらかじめ買いたいチケットをどう探すか、準備しておくと早くたどり着くことができます。

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チケット販売は、チケットマスターの特設サイト(https://ticketmaster.ca/tiff2018)になります。プレセールの時間になるまでは、このような画面になり、あとどれくらいで販売が始まるかどうかのカウントダウンが行われます。

スクリーンショット 2018-09-02 10.00.21.png

時間になるとチケット選択ボタンが出て来ますのでクリックすると、取得したコードを入れるようにと促されます。

スクリーンショット 2018-09-02 10.01.16.png

コードを入れると、チケットを実際に買うことができるわけです。

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人気のFirstManは、あと1席のみ。プレセールでも売り切れ間近です。今回のチケット購入経験を通して感じたのは、「どれだけ早くチケット購入にたどりつけるか」が重要。特に人気のチケットについては早い者勝ち状態であることがよくわかりました。

(追記)一般チケットの実際の購入方法

いよいよ9月3日の一般販売日。チケットを入手することはできるでしょうか?

スクリーンショット 2018-09-03 17.17.16.png

プレセール同様、チケットマスターの特設サイト(https://ticketmaster.ca/tiff2018)に行きます。買い方は基本的にプレセールと同じです。

結論

まとめとしては、

・最初の週末に上映される人気のプレミア/ガーラを中心に、注目の映画を数多く見たい! というなら迷わずパッケージ
・それ以外で好みの映画を見たい場合は、じっくりと一般単独チケット狙う

プレミアム・パッケージを買った今(2018年7月27日)私のすべきことは、8月20日に行われるスケジュール発表までに、見たい映画の候補をしっかり決めておくこと。

こう書いたのですが、実際今回(8月29日)チケットを実際に選ぶ際になって、結構高額なパッケージを買っていても

・あらかじめ選んだ映画リストで売り切れがあった
・時間的に見ることができない(上映時間が変わったり、回数が減った)

こういうことが起きたため、限られた時間内に追加で選ばなければならないという事態が発生しました。

今回日本映画は一切選べなかったので、9月3日の一般販売でチャレンジしてみたいと思います。