幾つかのキーボードを作って基本的な事柄がようやく分かるようになってきた、自作キーボード歴ほぼ3カ月のこの頃。初めてキーボード関連のポッドキャスト(off the clack)を聴いてみましたので、その感想などをまとめてみます。
登場人物は3人
出演は、
That-Canadian(Chris) – Maple Computing
GeeWhiz(Josh) – SpaceCat Design
Bakingpy (Danny) – Keebio
この3人。特に That-Canadian の minidox が好きで自作キーボードに入った時からどんな人なのかという興味があり、今回このポッドキャストを聴くに至ったというわけです。
パーソナルな部分が出て面白かった導入
約1時間に渡ってダラダラと話すお馴染みのスタイルで、私が聞いた回は Twitch でライブストリーミングしたものの録音を SoundCrowd に上がっていたモノ。
最初に行われた自己紹介は、それぞれのバックグラウンドとウエブサイト(ブランド)についてでした。自分たちのことを「PCBデザイナー」と位置付けているところが興味深く、それぞれのブランド名(ウエブサイト名)をどう決めたのか、という入り口の話は面白かったです。
なんでタコスか?
あまりキーボードの話題だけに集中しないようにと、フォロワーからの質問に答える際も好きなキーボードやキースイッチ「以外の質問」にも積極的に答えようとするところも面白かったですね。
この話題ではタコスという北米あるある的な食べ物の話題で、しかもフィッシュタコスという「あえて肉じゃない方」を言ってみたり、食べ物の美味しい街が良いと言いながら、結局フードトラックがあるかどうか的な話題の方向性は、トロントに住んでいると共感できる楽しい部分でした。
キーボードの好みもしっかり
キーボードの話題で印象的だったのは、That-Canadian のクリスがプランク+gatron茶軸が好きと言って他の2人に軽く引かれていたところ。理由としては、軽くて小さいのがいいと言ったような話だったと記憶していますが、「プランクも最近のではなく、昔のシンプルだった頃のがいい」とか言って、すっかりおじさん化しているようでした。
ProMicro のモゲの話もちらっと出てきて、「まあ安い分普及には良いけど」と前置きをした後、Elite-C (Pro Micro を USB-C に変更したモノ) の話をするくだりがあり、日本ではそろそろワイヤレス化の環境が出てきたという方向性との違いが面白かったですね。
後半は彼らが今一番面白いと思っていることを中心に宣伝みたいな・・・
後半は、クリスとジョシュが新しいプロジェクトとグループバイの話を始めたところ、もう1人のダニーが寝始めるという展開もポッドキャストならではですが、個性的な3人が一つテーマで話を展開させる難しさもあるようですね。興味の対象がガッツリと違うという部分も面白いところではありました。
その話題は、新発売のキーボードについて。まあやむを得ないですが、宣伝になると面白味が減るのは仕方ないところ。ただ、こういうポッドキャストを通してそれぞれがどんな活動をしているのかを知り、ウエブサイトをもう一度訪れるという機会にはなるようです。
マクロパッド付きミニキーボードという発想
彼らが今何をやろうとしているのか(何が面白いのか)ですが、ざっくり言うと3X11+2列というかなり変則的なモノを完成させたようです。That-Canadian のクリスが好む「小さいキーボード」。minidox は分割型で3X10+親指6キーでしたが、今回は分割ではなくマクロキーを2列(6キー)入れるというアイディアです。
A Not Quite 30% or 40% Keyboard w/ a Macro Twist
Why that name though? Well, there is 39 possible keys (1u) and we felt this layout, or usable layouts rather, was a real collision of worlds as far as what each person may or may not want out of their keyboard.
Macropad on the left? Sure. How about the right instead? Yup. No macro pad? Mhmm. Two small macropads on both sides? Absolutely. Oh, the bottom row also allows for 2u keycaps/stabs so you can get those bigger spacebar clicks in there!
デザインの肝は3X10の基本に3列(9キー)を加えて分割にしないこと。「プランクに似ているけどプランクじゃない」という言い方をしていて、確かにそんな感じですね。マクロパッドの使い道が楽しそうですね。
相変わらずでかいケースは指の大きな海外ユーザーに合わせたデザインで、私にとっては魅力的には映りませんでしたが、PCB は興味があるので1枚買ってもいいかな、と。グループバイは日本からも買えるようで、ケースも一緒に注文すると別々に送られてくるようなので、シンプルにボードだけ買って、後でパーツも含めてゆっくり作ってもいいかなと考えていますが・・・
「実店舗」という発想
つらつらとグループバイのサイトSpaceCat Design を見ていたら予想に反して品揃えが結構あったという発見から、Let’s Sprit も作ってみたいなと。この手のサイトでよく見かける在庫切れは色々な事情があるにしても、欲しいもの(買うもの)が少ないサイト(実店舗も)は興味が薄れてしまいます。その意味でここは結構な活気があって、何か買ってみようかと思わせるような感じでした。
北米では全体としてネットショップが主流で、おそらく北米では不可能な日本の遊舎工房の店舗を知ったらどんな感想を持つか、また日本の最近のスプリットキーボードのことなどどう思っているのか、これはちょっと興味深い部分ではあります。
東京という非常に特異な都市だからこそ成立する店舗だったり自作キーボードの発展の仕方は間違いなく海外からも(特に日本にやってくる旅行者)注目される存在になるような予感がします。